帯広ナビ | 帯広なびブログ

伝説の創り方!!!

皆さんおこんつは!!!
ハッピーハッピーついてるツイてる。
居酒屋 紅志の
寺口明宏です。

今日は少し長いので時間のある時に読んでみてくだせー!!
大将のメールからの転送です!!!

【伝説の新入社員】

高校を卒業し板前になった。

調理をするのが夢って言う訳でもなかったけど、思いだしてみると幼稚園の頃に「お寿司屋になりたい」って書いてあった。

これも潜在的に選んだ道なのかな?

別に踊るような気分で板前になった訳ではないけど、料理をするのは決して嫌いではなかった。

そんな中、僕の板前修業生活は始まった。

噂では厳しいと言われていた、板前の世界だが「先輩からの強烈な指導は辛かった」

賄い飯は全先輩が座るまで食べれないし、やっと食べれると思ったら、なぜか俺だけ冷や飯なんだよね。

しかも親方が食べ終わると、おまえいつまで食ってんだって良く叱られたもんだ。

だからさ、座った瞬間に、口に詰められるだけ冷や飯を詰め込んで必死になって食ったんだ。

でも、この冷や飯が腹減ってるから旨い何のっていうか、食わないと倒れちゃうくらいハードだったしね(笑)

包丁の柄で頭をね「ゴツ」って殴られたこともある。

ありゃ体罰とかそんなんじゃないレベルだった。


でもさ、俺って何やらせても器用な所があって、先輩の技術見ても俺の方が上手いだろって、入社して一週間くらいで感じたよ。

というか、1ヶ月もあれば抜ける自信があった。

だから入って10日もしないうちに、燃えるような目標が出来た。


それが「一年で先輩たちの技術もセンスも手際も味も全て抜いてやる!」って目標だった。

次の日から出勤を30分早くして、誰も来てないうちに親方が使う調味料の一升瓶に「俺だけが分かる印をつけた」

そして休憩時間に使った量を完全にコピーして、親方のレシピを全て盗み出した。


洗い物も率先してやった。

同僚になんか絶対に負けない洗い物の速さ、同僚たちは洗い物を嫌っていたけど、俺とは見てるものが違うから仕方ないと思った。

洗い物ってね、先輩方の嫌がらせポイントでもあるんだ。

熱い鍋わざと素手で掴まされてね「あーごめんごめん」とかコノヤロ!って感じになる(笑)

でも、洗剤で手が荒れて首の方まで湿疹が出た事があったけど、洗い物は宝の宝庫、先輩方が使った鍋の味見をできるからね。

レシピで覚えて、舌で覚える、洗い物を先輩のもとに取りに行き、目でしっかり覚える。

どのタイミングで裏返し、どんな工程なのかを目と鼻と耳でしっかり記憶する。


こんな考えだったから、同僚なんかに負けるわけがないでしょ?

先輩だって瞬間的に抜いてたね。

大根のかつら剥き何かさせたら、親方より上手いんじゃないの?ってくらい練習したしね(笑)

それで、入社して半年くらいで、賄い飯を作らせてもらえるチャンスをもらえたんだ。

実はこの時をずっと待っていた。

だからこの時の、「お前賄い作ってみろ」って言われた時に、めちゃくちゃ良い顔で「はい!!!」って返事は板場の空気が変わったのが分かった。

こいつ、何を作るんだ?

初めて作る新人が何でそんなに手際が良いんだ?

材料のある場所全部知ってんだ?

そんな調味料何に使うんだ?

って諸先輩方が自分の仕事をしながら、見る目が観客のようで本当に燃えたよ(笑)


そして僕が作ったのが、魚河岸の吸い物とかき揚げ丼。

その出来栄えの良さは、当時に携帯電話があったら写メールで友達に送りたくなるような一品だったかも(笑)

親方の最も得意とする料理を完全にコピーした訳だから、そりゃ自信満々で親方に「どうぞ」ってだした。

すると親方が「誰がこれを使っていいって言った?」って時は鳥肌が立つほど嬉しかった。

自分で創ったものと全く気付かなかったからだ。

「まさか、これお前が作ったのか?」って何かもう料理のドラマ番組みたいだよね(笑)

あの時、僕が涙目なって「僕が作りました」誇らしげに言った時、親方のいつもは怖い目が優しくなったとき愛されてるんだなって気が付いた。


それから一ヶ月もしないうちに、新しい仕事がどんどん任されるようになり、ポジションをどんどん上げていった。

焼き場、揚げ場、煮物、刺身ってあっと言う間に任されるようになった。


そして入社して一年が過ぎようとした時に、料理の祭典があり、誰でも参加できるという事なので、自分も参加させてもらいました。

今まで学んだ事を、すべて出し切って作った懐石料理は、天然の落ち葉を拾いに行き、川にある石で飾りつけをする。

ここで一年の成果が出ると思って、先輩が帰る中、徹夜して料理を作った。


そしたら、その料理の祭典で最優秀賞を取る事が出来た。

親方はめちゃくちゃ喜んでくれた!


それは地元の新聞でも取り上げられるくらい快挙であった。

新聞にのる19才の少年、板前の帽子のしたには、何故か茶髪のロン毛で耳には無数のピアス・・・。

人は見かけによらないって言うけど、わが身で証明した感じだった(笑)

この一年間が飲食業を一生やっていこうという土台を作ったのは間違いありません。


そういえば、あのときの冷や飯って、親方が盛ってくれてたんだよな。

もしかしてあれって、熱いご飯だと一気に口に入れられないから、俺だけ冷や飯にしてくれたのかな・・・?

考え過ぎか(笑)


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