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濾過にとってバクテリアって、どう大切なんでしょう



バクターDD(ディー・ツー)12cc入り¥380の写真です。

「富源粒」&「ブルカミア」など、広瀬製ソイル製品を底面濾過で使う

水換え不要水槽を実現するために、スタート用バクテリアとして発売

した製品です。バクテリア剤と呼ばれる製品は、20年以上前から、

各社から数多く発売されています。でも、なぜ、新しく研究開発した

バクターDDを発売したのでしょう。また、そもそも、水槽の環境づくりや

維持のために、バクテリアが、どういう重要なはたらきをしているので

しょう。

<ポイント1 水をきれいにする善玉菌は付着生物です>

水をきれいにする微生物群は、そのほとんどが、水の中には定住したり

繁殖したりしません。ほとんどの環境浄化細菌は、「付着生活」をしていて、

そのため、水槽の水をきれいにするには、彼らバクテリア達が住み着く、

何らかの「濾過材」を用意し、その中に、水を通水しなくてはならないのです。

<ポイント2 その善玉菌には、多種多様な異なった仲間がいます>

環境浄化細菌には、さまざまなものがあります。代表的なものを挙げると、

1)硝化細菌群(窒素化合物の酸化過程=好気性細菌群による)

 タンパクの分解の過程で生じる有害物質「アンモニア」を、中間産物である

 「亜硝酸」に換えるアンモニア細菌(ニトロソモナスなど)、まだまだ有害な

 その亜硝酸を「硝酸塩」に換える亜硝酸細菌(ニトロバクターなど)。この

 結果、硝酸化物質にまで酸化されると、低害化され、また植物が窒素肥料

 として利用可能なかたちになります。

※ふつう、「濾過細菌」と呼ぶバクテリア群は、この硝化細菌群のことです。

 硝酸は低害ですが、それが大量に水槽内に蓄積した場合、水を酸性化させます。

 水が極端に酸性化すると、魚や水草に害があるだけではなく、濾過細菌自体も

 繁殖や活動が低下して、「微生物濾過がはたらかない水槽」つまり、汚れが

 分解されない水槽になってしまいます。

2)脱窒細菌群(窒素還元→空気中への窒素放出過程=嫌気性細菌群による)

 自然界では、一部の炭素化合物をエネルギー源の手助けとして、脱窒細菌

 と呼ばれるバクテリアも働いています。これは硝酸塩を還元反応させて、

 空気中に窒素として放出するバクテリアたちです。地球上の大気の実に

 8割近くが窒素で占められていますが、これは何十億年にもわたる脱窒

 細菌の活動と密接にかかわっています。

3)偏性メチロトローフ類(炭水化物還元→CO2排出=嫌気性細菌群による)

 生物の体は、大半がタンパク質ですが、体内にあるエネルギー源や、植物の

 細胞壁などのセンイ質は、単鎖多糖質と呼ばれる炭水化物で、これを、発酵

 などの劇的な過程で他の物質に換えるのではなく、平和的にCO2に変換

 して、地球の持続的循環に大きく寄与しているのが、偏性メチロトローフ類

 です。特定の仲間を指す名称ではなく、このはたらきをする細菌はあらゆる

 分類群にわたっているので、機能的な名称です。

<ポイント3 硝化細菌群以外は、水槽になかなか定住しづらい>

従来、あらゆる「濾過器」は、硝化細菌、つまりアンモニアをいかに酸化

するか、に着目して開発や改良が行われてきました。つまり、2)窒素を空気

中に放出することや、3)炭素系列の還元過程、という残りの二つを、安定

的に水槽で機能させることは、むずかしく、あきらめられてきたのです。

<ポイント4 土の機能ですべてが実現>

でも、自然界の土壌中で、200種を越えるあらゆる微生物が行っている

地球の浄化作業を水槽内で実現しようとして、泥を水槽に入れても、

ただただ濁って中が見えない水槽になってしまいます。広瀬は1994年に

最初の特許を取得した際に、軟焼結法とよばれる技術を発表しました。

これは、わかりやすく言うと、土らしさを残して粒状化する技術です。



この写真は、走査型電子顕微鏡で、ブルカミアの構造を撮影した写真です。

撮影倍率は、25000倍。ブルカミアの内部空隙が、0.02〜2μm(マイクロ

メートル)、つまり、平均すると1mmよりも、1000分の1以下の

細かな隙間であるであることを、写真で撮影したものです。別の試験

(真空水銀圧入法)で、計測したところ、ブルカミアは1リットルあたりで

21476平米の表面積があることがわかりました。従来の最高級セラミック

濾過材の40倍以上の空間表面積がある計算になり、この空隙に、多種多様な

微生物が大量に定住繁殖しているわけです。

広瀬製のソイル濾過材は、接着剤を使っていません。また、細かな空隙を

埋めて土の構造を壊してしまう高温焼成も行っていません。

ソイル製品といっても、他社のものと根本的な違いがあったんです。

そして、ブルカミアの長年の研究の中で、東京大学応用微生物研究所との

共同研究により、これまで10種以上の新種や日本初記録のバクテリアの

生息が確認され、さらに、それらの中に、今まで通常の濾過材の中では

定住できなかった二つの菌群が見つかりました。それが、通称ダイレクト

バクターと呼ぶことにした特殊バクテリアと、脱窒機能菌類です。

ダイレクトバクターは、硝化細菌の一種ですが、アンモニアから、亜硝酸を

経ずに直接硝酸化する特殊菌類で、これまで日本では見つからなかったもの

ですが、ブルカミアの中には定住していることがわかりました。また、

脱窒機能菌は、先述の偏性メチロトローフ細菌群の存在する土壌環境以外

では中々安定して生存しないことが知られていますが、これもブルカミアの

中に「常駐」していることがわかったのです。

長期間水換えをしないのに、硝酸値が上がらず、最長で2年以上も水換え

なしで環境を維持している理由が、科学的にも証明されたことになります。

<ポイント5 バクターDDは画期的製品だったのです>

どんなに優れた濾過材でも、購入してきたときには、半ば「新築空き家

マンション群」のようなもので、中には大した量のバクテリアもいません。

そこで、ブルカミアに活動している各種バクテリア群を分離して培養に

成功し、ブレンドパッケージして発売したバクターDDが登場しました。

一般バクテリア群に加え、ダイレクトバクターや、脱窒機能菌類までを

バクテリアどうしのパッケージ相性まで検証した上で製品化した、

細菌技術の結晶です。定住性脱窒菌をパッケージしたのも史上初、

またダイレクトバクターを製品に導入したのも史上初で、これで、スタート時

にこの製品12ccを入れるだけで、50リットルの水槽までなら、

その日から微生物浄化がすぐにはたらくようになったのです。

昔からいわれる、「水の立ち上げと安定には2週間以上」という日数が、

いらなくなってしまいました。初心者にも、その日から微生物も含めて

環境づくりが完成してしまう。これが、ブルカミア&富源粒と、底面濾過、

そしてバクターDDを組み合わせるだけで実現する、カンタン水槽の

仕組みだったわけです。

こんなカンタンな環境づくりなんて、他のシステムでは、これまで、誰も

実現できなかったものなのです。

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