帯広ナビ | 帯広なびブログ

コケの出ない水槽をつくるには?



2007年4月号の月刊アクアライフ誌で解説を担当した際、

冒頭で、以下のように文章を書きました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
不快ゴケ発生をなくそう!!
〜付着藻類発生の原因・対策と予防〜

「ウチの水槽うまく行かない・・・それはなぜ?」

きれいに水草レイアウトされた中を、熱帯魚たちが美しく泳ぎ、

ガラスも水も透明そのもの。聞いてみると掃除などほとんどして

いないという。そういう自然の生態系のような美しい水槽が長く

持続しているのを見て、よほど高度なテクニックか、特別の

添加物をいろいろ使って環境を整えているのか、と質問してみると、

「いえ、ほとんど何も手をかけていませんよ」とすがすがしく

笑顔の返答。おいおいどうしたんだ!ウチでは水槽うまくいって

いないぞ!と心で叫ぶあなたへ。疑問解決!これを読めば、

あなたは不快ゴケとサヨナラできる!

よく知られている、コケ取り動物たちを水槽に入れることや、

コケ対策薬品などを入れることで、急場をしのぐこともとても

大切だが、水槽の中に、不快ゴケをなるべく発生させないことを、

ここでは掘り下げて紹介していこう。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

さてさて、本日新たに書き起こしなおす、不快ゴケの対策、

まず、上の図は、実際とは違いますが、植物が行う大事な

生命活動、光合成の心臓部である、葉っぱの中の、

クロロフィルの形と機能を理解するための図案です。

きょうは、植物の機能をよく知ることから、

不快な付着ゴケが出ない水槽管理について、

ご紹介することにしましょう。

クロロフィルは、やや短めの波長、つまり青付近の

光と、やや長めの波長、つまり赤付近の波長という、

二つの種類の光を、エネルギー転換しています。

これが、植物の活力と生産活動の源です。

クロロフィルには主に2種類が知られており、含有

比率が、植物の仲間によって異なりますが、

おおよそ、植物が使える光は、青と赤付近の光である

ことには、変わりはありません。これを、吸光特性

グラフで表すと、以下のようになります。



中間波長の光は使わず、ほとんど、透過するか反射させて

しまうのが、植物の特徴です。実は、ほとんどの植物が、

人の目には緑色に見えているのは、緑色付近の光が、使われて

いないためです。

ここに、不快ごけ発生メカニズムの一つの答えがあります。

もし、水槽の水管理が適切で、コケ発生の最大の原因である、

エサのやりすぎもしていない水槽で、

「水草が育たず、不快ゴケばかりはびこってしまう」

という場合、光、つまり照明の問題を見直す方が良いのです。

単細胞性の付着藻類には、クロロフィルの代わりに、カロチン系

色素などを、「代用クロロフィル」として使用し、光をエネルギー

転換しているものが多く知られています。

この代用クロロフィルは、ホンモノのクロロフィルに比べて、

中間波長(黄色付近)の光をエネルギー転換する特徴を持って

います。

斜めから間接日光が当たるような窓辺や、植物用でない一般蛍光灯で

照明されている水槽で、付着ゴケが出やすいことはよく知られて

います。この二つに共通するのは、中間波長の光が多いことです。

太陽光にはすべての波長が含まれているハズ??

そうです。でも、斜めから当たる窓越しの光の場合、窓ガラスなどで、

単波長つまり青付近の光の多くが減耗してしまい、実際には、

中間波長の光の比率が高くなっているのです。

これでは、水草は利用できる光がないのに、付着ゴケだけに、

元気を与えているようなものです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

少し光について説明しましたが、ここで、一般的な水槽での、

付着ゴケ発生原因をまとめてみます。

第1位 エサのやりすぎ
第2位 不適切な光
第3位 不適切なエサ

皆さんのご家庭の水槽などで、圧倒的に多いコケ原因は、

1)まず、実はエサのやりすぎです。

水槽に植えた水草は、地中から肥料を吸収します。

これに対して、水槽内に発生する不快な付着ゴケは、

水中の養分を直接吸って繁殖します。

魚やエビに与えたエサが短時間で完食される飼い方、

つまり、

「食べきる少量のエサやりにとどめ、エサの必要量を

 確保するには、その少量エサやりの回数を増やす」

という、エサやりの基本ができている水槽では、

常にエサが完食されるために、水中の養分濃度が上がらず、

付着ゴケが生えづらいのです。

2)不適切な光

窓辺に水槽を置いて間接日光が当たってしまう。または、

植物用に考えられたライトではなく、黄色を多めに含む

一般蛍光灯などで照明を行っているなど、この記事の上の

ほうで解説した「中間波長が多めの光」を当てていると、

付着ゴケがよく発生し、反対に水草が育ちません。

3)不適切なエサ

カクテル7n(弊社開発の高級エサ)をブログ解説した際にも

書きましたが、従来のほとんどの量販エサは、イワシなどの

魚の全身ミンチの粉(魚粉=ぎょふんと呼ばれています)を

主原料にしており、魚やエビ類の一般的栄養要求に比べて、

ややリン分の含有比率が高い特徴があります。この高リン分と

いう条件は、付着ゴケの多くが好む条件です。そのために、

価格競争にさらされている多くの量販エサを与えている方が、

付着ゴケで悩まされやすいのです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ブルカミア/富源粒(ふげんりゅう)など、

弊社製濾過材による底面濾過を行うと、水中養分の少ない、

純度の高いわき水のような水質を、長期間保つことができます。

そのため、付着ゴケの発生も、非常に抑えることができます。

ところが、これらを使っている水槽でも、たとえば、エサを

食べ残すほど与えてしまっている場合には、付着ゴケで悩まされる

ことになります。これは、エサの食べ残しはすぐに水に溶けて

しまい、水中養分を直接高めてしまうからです。

1回のエサの量は、

「2分以内の食べきり」

を目安にするよう、お店では毎日みなさんにアドバイスをしています。

この量を、時間をおいて、1日3回程度与えると、多くの魚たちに

とって、適量となります。

「小さな大自然の店」では、

皆さまからのご質問にも、丁寧にお答えしています。

もし、水槽がうまくいかないということがありましたら、

どうか、お店までお問い合わせください。

<< April 2010 >>
SunMonTueWedThuFriSat
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

フォトギャラリーブログTOP

サイト内検索

最近の記事

カテゴリー